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中村ユキ 『わが家の母はビョーキです 2 家族の絆編』

 この本は、著者である中村ユキさんのお母さんのこと(統合失調症=トーシツというビョーキを持つ)を書いたベストセラーである『わが家の母はビョーキです』の続編だ。前作で描ききれなかった、ユキさんとタキさんの結婚をめぐってトーシツのお母さんとの3人の「家族編」ともいうべきマンガである。

 ユキさんは、お母さんのトーシツの過去の急性期症状を旦那さんには隠すことにより、不安の中から結婚生活をスタートした。タキさんは精神の病を患っているということだけ知らされるが、それほど気にしないで生活していた。しかし、お母さんの症状はタキさんに隠し通せないところまで切迫してしまう。

 そんな状況から、トーシツを通してむしろ家族の絆をつかみ、それがまたトーシツの再発を予防するものとして家族の絆が強くなっていく。とくにユキさんの夫であるタキさんの存在によって家族が一丸となってトーシツに対峙するようになるところは感動的ですらある。

 本書で注目したいのが再発防止のモットー、「わが家の再発防止10カ条」(p.162)だ。重要な10項目なので引用してみたい。
1、キチンと服薬しよう!
2、睡眠がとれているか確認しよう
3、ライフイベントには要注意
4、疲れる前に休む!
5、体調が悪いときにはスグに受診!
6、病気の波を知ろう
7、お互い干渉しすぎない(いい距離感)
8、家族のストレス緩和を重視する
9、あせらずにゆったり構える
10、思いやりと共感と感謝をもつ

 以上の10項目である。かなりの経験と知識に裏打ちされた10カ条であるといえる。その中でも、「服薬」、「睡眠」、「休息」、という当たりまえのようでなかなかできない重要な項目があることに注目したい。

 前作も話題になったが、著者はむしろ『2』の本書こそ描きたかったのではないかと思わせる作品になっている。

 あとがきで、著者の中村ユキさんの言うように、統合失調症は糖尿病のように上手にコントロールしながら付き合っていく病気であるとし、この本で描かれたものをトーシツ当事者を持つ家族それぞれが、「わが家流にアレンジ」していく必要があると言う。コミカルでありながら、実用的でもあるのが本作品である。100人に1人という決して珍しい病気ではないのが統合失調症だ。当事者、家族で読んで、再発予防やトーシツとうまく付き合っていけるよう読み直していってもらいたい。そして、統合失調症に興味のある方にもない方にもトーシツがどういう病気なのか読んでいただきたい好著だ。


(2013年3月にTRCにアップしたものです。)








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mamu895

Author:mamu895
トーシツの持病(障害)を持っていることもあり、非正規で働くアラフォー男です。なかなか本は読めないし、書評も思うように進みませんが、本は好きなので読んで良かったと思う本・感動した本を紹介していけたらなと思います。今後読みたい本なども書いていけたらと思います。最近になり改めて公共図書館の魅力を感じています。

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