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伊藤 順一郎 (監修), NPO法人地域精神保健福祉機構(コンボ) (監修) 『 統合失調症の人の気持ちがわかる本』

統合失調症の人の<気持ち>がわかる

 本書の特筆すべき特徴は、統合失調症の症状や病気の解説だけではなく、統合失調症の当事者本人の<気持ち>に焦点をあてていることである。病気の当事者や家族の「気持ち」を知ることで、当事者本人がどのように家族や社会の中でつながることができるか、より実践的なヒントがたくさん詰まった新しい視点を持つ本である。

 また、この本は統合失調症の本人やその家族からのアンケートをもとにして編集されているため、専門家の知見だけでなく、当事者がどういう場面で、何に悩み、何に苦しみ、何に戸惑っているのかという本人の「気持ち」を客観的に読み取り、それを重視して書かれている。統合失調症の人が、治療、リハビリ、社会復帰を目指す際にぶつかる「壁」として、「周囲の理解不足」「社会の偏見」「将来への不安」の3つをあげている。その壁をどうやって乗り越えていくかという具体的な工夫とともに、「リカバリー」という考え方が提案されている。その考え方は「単に『症状がなくなることを目指す』という一元的な見かたではなく、周囲のサポートを受け、薬を使いながら、自分らしく生活できるよう目指すということを表して」いるという。

 決して抽象論ではなく、具体的な事例や具体的な場面において、本人や家族がどう向き合うか、また本人がどう地域や社会と向き合っていくかという実践的なヒントが提示されている。例えば統合失調症の人は「なぜ服薬をやめてしまうのか(どうしたら服薬を続けられるか)」、「医者とどうつきあうか」、「病気のことをオープンにするか、クローズドにするか」など、多くの当事者が戸惑う場面において、実際に統合失調症の人たちがどう対処してきたのか、アンケートから経験を踏まえた上での解決策のヒントが詰まっている。

 統合失調症を発症してから15年以上生きてきたものとして、こういう本が出てきたのか、と感慨深く読んだ。また私も参考になるヒントがいくつか見出せた。専門家の見方ばかりではないし、当事者だけのものとも違う、専門家と当事者双方の見方を備えた、わかりやすくて、秀逸な一書である。








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(2010年BK1)

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mamu895

Author:mamu895
トーシツの持病(障害)を持っていることもあり、非正規で働くアラフォー男です。なかなか本は読めないし、書評も思うように進みませんが、本は好きなので読んで良かったと思う本・感動した本を紹介していけたらなと思います。今後読みたい本なども書いていけたらと思います。最近になり改めて公共図書館の魅力を感じています。

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