FC2ブログ

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

現代思想2011年12月臨時増刊号 総特集=上野千鶴子

まるごとの人間としての上野千鶴子論

 「泣く子も黙る」、「ケンカの強い」、「おひとりさまの」、そんな形容詞がつきそうな上野千鶴子を特集した雑誌が出た。まるごと一冊、上野千鶴子についての本だ。

 執筆陣は、日本のフェミニズム(女性解放運動)の先駆的役割を果たしてきたころからの仲間(女性)たち、また鶴見俊輔、見田宗介、樋口恵子ら重鎮たち、ジェンダー論を共に牽引してきた江原由美子、あるいは社会学の俊英・立岩真也や小熊英二といった研究仲間。『逝かない身体』の川口有美子、『リハビリの夜』の小児科医・熊谷晋一郎に至るまで、50人ちかくにも及ぶ人々より構成されている。

 研究者としてだけでなく、教育者としての上野。教え子たちの座談もある。教え子、あるいは上野と接近遭遇した執筆陣それぞれの上野への「思い」みたいなものも加味され、著作だけからでは伺い知れない「まるごとの人間として」の上野千鶴子像も浮かび上がる。そういう私的側面を垣間見ることができ、私みたいな私淑の徒(というよりもファン)にとっては、たまらない一冊でもある。

 もちろん上野の公に出版された著作の位置づけや、裏話あるいは、その著作の目的といったことも語られたりする。例えば、ベストセラーになった『おひとりさまの老後』だが、その狙いは、「ネガティブ一色だった単身高齢女性イメージの転換」をはかることで、「確信犯的に恵まれた層をとりあげた」ということが、小熊英二との対談によりわかったりする。

 つねに「戦略的」「挑発的」「論争的」「確信犯的」に発言したり書いたりする上野なので、誤解や批判も多いが、この特集が今後、学問分野を超えて、ジェンダー研究やフェミニズムに大きな力を与えるとともに、上野千鶴子を正当に評価する一つの材料となることを願う。







にほんブログ村 本ブログ 書評・レビューへ
にほんブログ村

(2011.11 BK1)
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

mamu895

Author:mamu895
トーシツの持病(障害)を持っていることもあり、非正規で働くアラフォー男です。なかなか本は読めないし、書評も思うように進みませんが、本は好きなので読んで良かったと思う本・感動した本を紹介していけたらなと思います。今後読みたい本なども書いていけたらと思います。最近になり改めて公共図書館の魅力を感じています。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。