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益田ミリ『結婚しなくていいですか。 すーちゃんの明日』

30代後半の女たちの「いとおしい」言葉たち

 スローな、ゆったりした感覚を覚える独特なマンガだ。特別、劇的な何かがあるわけでもなく、二人の女たちの日常生活を描いている。ゆったりとした物語の中にちりばめられた言葉たちに、時々はっとさせられる。それは独白の形をとったり、ふとしたときに思ってしまったりした言葉たちである。

 すーちゃんは、35歳。一人暮らし。独身。彼氏なし。ある日、遺言の本を買ってくるが、自分が心配しているのは「死んでからではなく」、「老いている自分」(35)だと気がつく。

 すーちゃんの言葉で残っているのは、
「月1万円を老後の貯えにしていけば……老後が、遠い未来が/今、ここにいる/あたしを/きゅうくつにしている」(8)、
「『元気で長生きがいちばん』ってもしかしたら誰かをキズつけている言葉なのかな」(100)、など。

 すーちゃんの先輩のさわ子さん。さわ子さんは、お母さんとおばあちゃんと3人暮らし。40を目前にした独身の女性だ。お母さんとさわ子さんとで、おばあちゃんを介護してくらしている。おばあちゃんを介護しながら、おばあちゃんに自分の気持ちを吐露している。おばあちゃんは、娘のことすらもわからない認知症だ。

 さわ子さんの言葉で残っているのは、
「老いていくのは仕方ないけど、ただ、セックスはしたい/あたしのからだをもっと謳歌しておきたい」(25)、
「どの時点が、大人の完成形なんだろう?」(20)、
「老いていくのもひとつの成長なのかな」(84)、
「汗はともかく、血を流しながら/女は働いているのです」(54)、
「女からも、日々こまごまとした/セクハラを受けているわけで」(55)、
「産め産めって気軽に言うけど/あれって/命かかってんだぜ~」(56)、
などである。

 二人に共通するのは30過ぎの女たちの「不安」である。
日常の時の流れの中での、ふとした独白が印象的なマンガである。


(ページは単行本バージョンのものです。2008年11月にBK1に投稿。)











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mamu895

Author:mamu895
トーシツの持病(障害)を持っていることもあり、非正規で働くアラフォー男です。なかなか本は読めないし、書評も思うように進みませんが、本は好きなので読んで良かったと思う本・感動した本を紹介していけたらなと思います。今後読みたい本なども書いていけたらと思います。最近になり改めて公共図書館の魅力を感じています。

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